第20話  建築を写せるレンズとは −1− EF70-200 F4L

 キャノン製デジタルカメラを使用するようになって
もうじき2年になろうとしています。 以前使用して
いたニコン製レンズは使えるはずも無く、長い玉が
不足していました。
 建築が中心ですと、75mmもあれば大体問題は
無いのですが、遠くから撮影しないといけない病院
の撮影の為、70−200のズームレンズを仲間入り
させることにしました。ことさら明るいレンズが必要
な仕事ではありませんので、リーズナブルに F4L
にしました。
 どの様なレンズも何か不得手部分があるもので、
実際の使用の前にテストを行ないました。

 カメラ雑誌のレンズインプレッション記事では、解
像度やフレアー、周辺光量に関しては、ある程度判
るものの、歪曲については、表現を避けている印象
があります。
 ズームレンズでは相当苦手な分野とみえ、辛口
批評家でも、良好に補正などと訳の解らぬ表現をし
ている場合がほとんどです。 仕方が無いので私が
身銭を切り、辛口批評をしたいと思います。
 (必要なもんだけね)

 このレンズも評価の高いレンズで、歪曲はF2.8
レンズより良いような記事を見たことがあります。

 しかしなあ、建築写真家の目で見ますと、他のレン
ズと比較すれば良好でも、70mm域は使用に躊躇
する内容ですね。 単なる樽型ではなく陣笠の要素
が入っている為、修正は難しい。
100mm域は問題の無い絵になり、110mm位から
糸巻型歪曲が始まる。 135mm域までが容易に
修正できる範囲で、200mmは遠慮したい印象。

 遠景での使用は風景と絡めた絵が多いので、使え
ない内容では無いが、修正を入れた方がいいのでは
と思う。