第25話  レンズの使いこなし方レポート −1− SIGMA 12-24 F4.5-5.6EX DG

 前回登場の SIGMA 12-24 における欠点を、
極力カバーする為のテストを行なってみました。
 その欠点とは、周辺画像の絵が流れる事で
絞りによってどのように改善するかを探ってみる
ことにしました。

 やはり、想像するのと実際では開きのある結果
が解り、今後の撮影に活かせるデータを集める
事ができました。
 焦点距離によりベストな数値も変わると判断し、
12mm、15mm、17mm、20mm、24mm、の
各焦点でF11.F16.F22の各絞りで撮影を行い
ました。

 12mm域の軒下付根部分と
建物右側上部の拡大です。

上からF11.F16.F22です。
通常の感覚ですと2段絞りが入
れば使用可能な画像となるはず
ですが、12mm域でのF11は
まったく使用基準に入っていな
い状態です。

F16になると軒下は問題なくなり
周辺も良くはなりますが、まだあ
まさのある絵で更に1/3の絞りを
必要としました。

これだけ超ワイド写るレンズで
すから、12mmだけは緊急用と
しての役目と割り切り、周辺に
主要被写体を入れない工夫が
必要と思います。


レンズ中心部の画質はF16で
ピークとなりますが、周辺まで
しっかり写すには、F22が必要
と言ってもいいでしょう。


 わずかにズーミングして15mmになると俄然
画質が向上してきます。 わずかな差だけに
不思議な気がするくらいで、やはり12mmが
設計上ハードであったことがうかがえます。

 画像中心部ではF11〜F22の間
で差はほとんど感じられません。
しかし周辺部になると、12mmとは
違った様子になります。

F22では絞り過ぎによる悪影響が
はっきり確認できるようになり、使用
する絞りはF11〜F16が適当と思わ
れます。

 この傾向は17mm〜20mmでは
同様の傾向があり、ほぼF16の時
に解像感が一番ありました。
F22では回折現象と思われる画像
の劣化も同様でした。


 こちらは24mmでの画像ですが20mm
域とは違う性格が出てきました。
それはまた周辺画質が落ちてきたことです。
12mmと同様の結果になりました。
12mmだけでなく24mmも苦手とは思い
の外でした。
撮影はF16〜F22で行なうのが良いよう
ですが、苦手には違いありません。

 このミリ数をカバーするレンズは他に沢山
ありますが、歪曲の少なさにおいては他を
リードしている存在です。
 この部分を使いたい時は、若干ワイドに
振りトリミングするのも手かも知れません。

 F11での周辺画質は使用を
ためらわせます。

F16では中央部はベストで周辺
はもう少し良くなって欲しい印象
です。

F22では絞り過ぎで中央部の画
質が落ちてきますが、周辺画質
は少し良くなりました。