第28話  形状修正を前提にした撮影方法 (2)

 建物形状修正における問題例を、前回同様、普段使って
いない方の例で紹介いたします。

 形状修正の段取りは、前回と同じ手段で行います。
フォトショップには、自動で形状を修正できるレンズ補正が
ありますが、この方法はどうも不自然に思えて、使う気持ち
になれません。 デジタルを使っても、アナログ的感覚の方
が正しい(現実に即している)場合が多々あります。

 今回の問題点は、撮影範囲に関することです。
この例では、他の絡みもあり見上げ過ぎはなくなりましたが
もし1枚で使用考えた場合、大変困難な事が生じます。

 大方お気付きかと思いますが、足元の画像が不足する事
になってしまいます。 

 このレンズは樽型歪曲も大きく、建築には不向きですが、
敢て変形→レンズ補正は入れずに、形状の補正だけを入
れてみた結果をご覧下さい。

 形状修正後の画像は、足元の欠如したものとなってしま
いました。 道路部分は移植すれば何とかなりますが、左右
の建物の切れは直し様がありません。

 通常の撮影で1つの建物を分割して撮影した場合、よほど
平面的建物以外は、パース感の違いから違和感を拭い去る
事は困難です。
 通常用途であれば、いっそうのワイドレンズもありますので
そちらを使われるのが賢明かと思います。 

 樽型収差も一応平均化された形状ではありませんので、
どのようなソフトを使っても、完全に直ることはありません。
画質と形状どちらをとるか、私なら○○○ですが。