ピントリングがこれ以上回らない最終地点。中央はボケ過ぎているが、右上に関しては一番良い。

無限遠を行き過ぎ、無限と最終の中間地点。中央はかなりあまくなり、右上は更に改善。

無限遠で撮影。中央はわずかにあまくなり、右上はわずかに改善。

カメラが合焦を教えてくれる、2mと無限の中間地点。中央はしっかりしているが、右上はかなりぼけている。

第31話  ピントはどこへ  SIGMA 12-24

 出来るだけカリッと、ピントの山を感じられる写真にしたいと常々思いますが、広角系のレンズではそれが
なかなか難しいようです。 至近距離でなければ、ファインダーの中でそれを確認するのは、まず無理なのでは
ないでしょうか。 私の場合、実際の撮影ではマニュアルフォーカスで行っていますが、フォーカス検出機能は
利用しています。
 常用レンズに近いこのレンズの場合、建築の外観を対象にすれば無限遠で良い筈ですが、カメラに拠る距離
の検出はちょっと違っています。 距離目盛で言えば、2mと無限の中間でピッと音がします。 通常は深い絞りも
入っている事だし、これで写りが悪ければレンズの限界と諦めるしかないと思っておりました。

 実際レンズの中心部は良いとしても、周辺部はもう少し何とかしてもらいたいというのが感想です。 そんな折
友人のスタジオで、デジタルのフォーカスは合ってないという話を聞かされました。 ちゃんと合わせたいならピント
も前後に振れとの話です。  開放で撮影するなら必要だと。

 最近のレンズは、無限からさらにピントリングが移動するものが主流ですが、日本に於いては必要ないでしょ、と
思っていましたが、これも含めてテストをしてみることにしました。 いまさらこんな基本を攻めるとは思ってません
でしたが、きちんとテストをすれば意外な結果も見えてきました。

 画質的に劣る12mmは避け
実用的な15mmで撮影。
絞りも開放ではなくF8です。

 今回は15mmで撮影し平面的な箇所でピントを見ましたが、このレンズは面に対してはピントがき難く
レンズからの距離に拠る同一点に、円周上にピントがくるようでした。
 F8では周辺までピントがきませんから、最低F11は必要で、距離もカメラが教えてくれる目盛ではなく
ピントリングで無限に合わせるのが得策と思います。

 実際に距離感のある場面で、同じ15mm,F8で撮影。中央、中間、外側ともに、平均的に良かったのが無限遠で、
カメラが教える地点はこれより少し前の距離でした。 
 いろんなミリ数で試してみましたがこの傾向は同様で、外観に関しては「黙って無限」で良さそうです。