第17話  デジタルの魅力、これで知りました

 話が前後してしまいますが、デジカメを導入するきっかけとなった現場です。
この時はフィルムで撮影を進めていたのですが、この場面の光のバランスがどうにもとれず、
フォトラマを4,5枚撮影して考え込んでしまいました。  照明の少ない暗めの廊下です。
それに対し外からは明るい光が。 設計者のこだわりは、通路側のブラインドを表現した上
ガラスの質感を、といった感じでした。 何とか意に添えるよう工夫しましたが、うまくいかず、
試しに、テストを兼ねて持ってきたデジカメを使ってみる事にしました。

 一度シャッターを押しモニターを見た瞬間、今までの苦労は何だ、と思えるほどでした。
しっかりデジタルラチュードの中に収まり、明部も暗部も色調も思った以上でした。 手製の
蛍光灯補助照明を使っていますが、それ無しでもOKでしょう。

 次はホワイエですが、これもフィルムとデジタルの両方で撮影してみました。 現像があがり
両方比較してみると、これもデジタルの質感が上でした。    フィルムの場合、相当上方へ
あおりが入りますので、画面の上の方は光量が減って暗くなります。 黒っぽい天井付近から
光が舞い降りるので、そのイメージからずれがあります。 清楚な明るいイメージでしたので、
デジタル撮影分を使用する事にしました。

 同施設の会議室の収納壁部分です。
部屋は撮影対象ですが、この様な部分ディティ
ールは予定に入っていません。 でも設計者は
什器にもこだわりを持っているのが解かります
ので、ま、サービスです。
 すでに予算枠も決まり、後は撮影者の考え次
第の時は、たとえ使わなくとも写しておくことがあ
ります。 いつもそれを期待されると困るのです
が、人同士ですから。 それを容易くさせるのも
デジタルだからということでしょうか。

(群馬県看護教育センター EOS−D60+SIGMA12−24)