第26話  シャープの効果的活用法

 建築撮影においては、シャープな感じに写るほう
が良い場合ほとんどですが、デジタル一眼ではセ
ンサーやそれにまつわるフィルターの為に、シャー
プさを損ねている場合があります。 理由があって
そうなっている訳ですが、できるだけ鮮明に仕上
げる方法を探ってみようと思います。

 デジタル一眼にはカメラ内部で処理をする各種パ
ラメーターがあり、その中にはシャープネスやコント
ラストがあります。 お恥ずかしい話ですが、RAW
で撮影していてもその設定は効いていると思ってい
ました。 思えばそれはカメラ内部で行う現像処理
ですから、生のデータであるRAWには関係の無い
話で、それに気付いたのは後からでした。

 そのRAWデータを現像するにあたっては、カメラ
付属のソフトを使うか、フォトショップCS以降を使う
か、サードパーティーを使いますが、ある程度枚数も
撮り、場所ごとに光源が違う事の多い建築では,フォ
トショップがお勧めです。 今回シャープネスを使用し
て分かったのですが、シャープを入れてからの荒れ
は、EOS1Ds-2の場合ですが、純正ソフトの方が
荒れていました。 いい点は偽色の発生が少なかっ
た事です。

 色調整の豊富さ、レスポンスの良さではフォトショ
ップに軍配があがります。

 JPEGで撮影した場合、カメラ内現像パラメーター
が効いて画像に反映されますので、それと比較した
効果をフォトショップで設定できればと考えました。

 カメラ設定のシャープネスは、0から5まで
6段階があります。 上から順に1、3、5、と
入れてJPEGで撮影してあります。
1では効いた感じが無く、3で通常のシャープ
感です。
5ではやはりやり過ぎで、明暗さのある部分
では妙にエッジが立ち、入れる場合は4まで
が無難となります。
  
 条件の厳しい箇所で見せてますので、その
割りになかなかいい結果で、JPEGも頑張っ
てる印象です。
驚いたのは偽色の発生が少なかった事で、
右の光った金属部分でほとんど無いのは立
派です。

 こちらは、RAWデータをフォトショップCSで
現像したものです。
 フォトショップのシャープのデフォルトは、25
ですので、上から25、40、60、100と入れ
てあります。

 偽色の低減は25のままです。
25ですとJPEGより細かな部分まで見えて
いるのですが、シャープ感が無いのがわかり
建築ではちと辛い感じがします。
 最後にアンシャープをしっかりかける方は
このままでもいいのですが。
40ではJPEGの3よりは弱いですが、偽色
の発生を見るとこのあたりでいいのかも。
60ではエッジに偽色の発生が分ります。
偽色の低減の数値とのすり合わせが、今後
の課題です。
100まで行くと、やり過ぎが見え見えな感じ
ですが、エッジが白く抜けないとこが立派です。

テストの感想は意外とJPEGも使えるかも。
このカメラの場合でしょうが、光った部分が
きれいに表現できていました。

実際には最終仕上げまでいろいろな手が入り
ますので、16bitで作業できるメリットでRAW
データを使うようにはなるのですが。